騎士

ドアを開けたお母さんを最初に出迎えたのは、フワフワと舞う白い物体でした。「まあ、何これ？」リューイの新しい遊びかと思ったお母さんは一瞬、笑いかけましたが、すぐに笑顔が凍りつきました。

とうとう二人は外に放り出されてしまいました。時刻は既に夜の7時を回っていました。こんな時間にミュウを連れて森に行くなんて無理です。

おばあちゃんは無駄のない動きで、どんどん鞘から豆を取り出していきます。あっという間に、ツヤツヤとした豆の山が出来ました。なんだか楽しそうです。魔法のようなおばあちゃんの手の動きに誘われて、リューイもお手伝いをしたくなりました。

「スゲー、本物(ほんもの)のドラゴンだ！」「マジ、かっけー！」「きゃ～、かわいい！」ミュウが校門をくぐると、あちらこちらに散(ち)らばっていた子供たちが、わらわらと集まってきました。「えへへ、そんなにカッコいいかな？」リューイは自分が褒(ほ...

「ギュイ！ギュイ！ギュイ！」算数が得意なカル君が手を挙げると、一番後ろの席に座っているミュウも短い前足を上げて鳴き始めました。

パリ、パリ、パリ、パリミュウは目を閉じたまま鼻をヒクヒクと動かしました。――なにかすごく美味(おい)しそうな匂いがする。だけど、眠(ねむ)い…ミュウが片目(かため)だけを開けて見ると、リューイがポテトチップを口に放(ほう)り込(こ)むところ...

ユストが出会ったのは、100年に1頭、出るか出ないかの名馬。喉から手が出るほど欲しい名馬だったが...